「雪は好きか。」
これは、育てる会の採用試験の面接で聞かれた質問だ。私は雪国出身なので、雪には苦労が多く、好きか嫌いかでは言い表せないと思ったが、いろいろ考えて「好きです。」と答えた。雪がなければ、春のありがたみが感じられないと思ったからだ。大岡で四回目の冬を迎えている今、雪にも、痛いくらい寒いこの気候にも、ありがたいと感じるようになった。
日本には春夏秋冬、四季があると言われるが、雪国は特に四季がはっきりしている。先日研修で行った千葉では、その気候と山の違いに驚かされた。民家の庭先には柑橘系の果物が実り、山はほとんどが照葉樹で覆われていた。冬だというのに山が青々としているのに違和感を覚え、雪国の山が恋しくなった。確かに、雪が多いと不便で大変なこともある。でも、雪に耐え忍ぶ冬があるから、春には命が吹き出すような自然の生命力に心を打たれる。また、自分も自然と共にがんばろうと思うことができる。研修から大岡に帰り、雪を踏みしめて冷たい空気を吸ったら、ほっとした気持ちになった。千葉もいいところだけれど、私には雪国が向いているらしい。
ある農家さんが、「雪が積もらないと、まだやることがあると思って畑に出てしまって休まらない。こうして雪が積もってくれると、家のことや趣味もゆっくりとできる。」とおっしゃっていた。学園生にとっても、冬はゆっくりと体を休め、今までの自分を振り返る上でも、重要な季節となる。自分のことを深く考えたり、家族と真剣に向き合って答えを導き出していく作業は簡単なことではないが、なかなか体験できることではない。雪がとけ、山も芽吹きはじめる春の季節には、自分のいるべきところに、やるべき事をしっかり掲げて、しゃんと立っていられるよう、この雪の季節に存分に考えて欲しい。そして、私自身も一年を振り返るのと同時に、学園生と雪国生活を楽しみながら、修園まで過ごしていきたい。 ㋖